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有機野菜は体にいい?期待できる3つの健康効果と酵素の関係を専門メディアが徹底解説!

皆さん、こんにちは。有機生活研究所の佐藤です。閲覧いただきありがとうございます。

「有機野菜は普通の野菜より体にいいの?」

「有機野菜には酵素が多く含まれているから健康にいいって本当?」

有機野菜について調べると、このような情報を目にすることがありますよね。

結論からいうと、有機野菜を食べれば特別な健康効果が得られる、とまでは現在の研究では断定できません。

一方で、有機食品を中心とした食事に切り替えることで、特定の農薬への曝露が減少することは複数の介入研究で確認しています。また、有機農産物と慣行栽培の農産物では、一部の抗酸化物質などの成分量に違いがみられるという研究もあります。

さらに、有機食品をよく食べる人ほど2型糖尿病や一部のがんなどのリスクが低かったという観察研究もあります。しかし、こうした研究だけでは「有機野菜を食べたことが病気を防いだ」と因果関係までは証明できません。

そして「酵素」についても注意が必要です。

野菜にはさまざまな酵素がありますが、有機野菜だから特別に酵素が多い、あるいは有機野菜の酵素を食べることで体内の酵素が補充され健康になる、という考えを裏付ける十分な科学的根拠はありません。

有機野菜の健康効果を考えるなら、「有機だから体にいい」と一括りにするのではなく、何が研究で確認できていて、何がまだ分からないのかを分けて考えることが大切です。

目次

有機野菜は本当に体にいい?現在分かっていること

そもそも有機野菜とは、農林水産省が定める有機JASの基準に沿って生産した野菜です。

農林水産省は、有機農産物について、種まきや植え付け前の一定期間に化学肥料や化学合成農薬を使用しないこと、組換えDNA技術や放射線照射を利用しないことなどを基準として定めています。

つまり、有機JASは主に「どのように作った農産物なのか」を示す制度です。

「一般的な野菜より栄養価が高い」「食べれば病気になりにくい」といった健康効果を保証する認証ではありません。

そのうえで、有機食品と健康について現在比較的よく分かっているのが、次の点です。

項目現在の研究から言えること
農薬への曝露有機食品中心の食事で一部の農薬への曝露が減ることを介入研究で確認
栄養成分一部の抗酸化物質などに差を認める研究がある
生活習慣病有機食品を多く食べる人でリスク低下との観察研究がある
がん一部の研究で関連を確認したが、因果関係は確定していない
酵素有機野菜特有の健康効果を示す根拠は確認できない

それぞれ、もう少し詳しく見ていきます。

健康効果①:一部の農薬への曝露を減らせる

有機食品について最も比較的はっきり確認できている違いの一つが、農薬への曝露です。

成人13人を対象にしたランダム化クロスオーバー試験では、食事の80%以上を有機食品にした期間に、尿中の有機リン系農薬代謝物が大きく減少しました。

別の研究でも、通常の食事から有機食品中心の食事へ変更したことで、複数種類の農薬に関連する尿中指標が低下しました。

子どもを対象にしたクラスターランダム化クロスオーバー試験でも、有機食品中心の食事によってピレスロイド系やネオニコチノイド系農薬への曝露が減少しました。

そのため、

「有機食品を選ぶと、特定の合成農薬への食事由来の曝露を減らせる可能性がある」

という点は、比較的根拠があります。

ただし、ここで注意したいのが、

「農薬への曝露が少ない=病気にならない」

ではないことです。

曝露量が減ることと、それによって長期的な病気がどの程度減るのかは別の研究課題です。

健康効果②:一部の抗酸化物質が多いという研究がある

「有機野菜は栄養価が高い」とよく言われます。

実際、有機農産物と慣行栽培の農産物を比較した大規模なメタ解析では、有機農産物のほうが一部の抗酸化物質の濃度が高く、カドミウム濃度や農薬残留の検出頻度が低い傾向を報告しました。

ただし、ここから、

「有機野菜はすべての栄養素が多い」

とは言えません。

野菜に含まれる成分量は、栽培方法だけではなく、品種、土壌、気候、収穫時期、成熟度、保存期間などさまざまな条件によって変わります。

また、抗酸化物質の濃度に差があったとしても、その差によって人間の病気がどの程度減るのかまでは同じ研究から判断できません。

したがって、

「有機野菜には成分上の違いがみられる場合がある」

というのが、現在の研究に近い表現です。

健康効果③:2型糖尿病などとの関連を示す研究もある

有機食品をよく食べる人の健康状態を長期間追跡した研究も増えています。

フランスのNutriNet-Santé研究では、33,256人を対象に有機食品の摂取量と2型糖尿病の発症を追跡しました。

研究では、食事に占める有機食品の割合が最も高いグループは、最も低いグループより2型糖尿病の発症リスクが低いという関連を確認しました。研究者は食事の質、運動、喫煙、飲酒など複数の要因を統計的に調整しています。

有機食品の摂取頻度が高い人ほど、肥満になるリスクが低かったという同じコホートからの研究もあります。

ここだけを見ると、

「やっぱり有機食品は健康にいい」

と思うかもしれません。

しかし、こうした研究は観察研究です。

有機食品を頻繁に購入する人は、運動習慣や食事内容、所得、喫煙など、それ以外の生活習慣も異なる可能性があります。研究では統計的に調整しますが、すべての違いを完全に取り除くことはできません。

そのため、「有機食品を食べたから2型糖尿病が減った」と因果関係を断定することはできません。

がん予防の効果はある?

有機食品とがんについても研究があります。

2018年にフランスの約6万9,000人を追跡した研究では、有機食品を食べる頻度が高いグループほど全体のがん発症リスクが低いという関連を確認しました。ただし研究者自身も、結果を確認するためには追加研究が必要としています。

さらに2026年には、約3万1,000人のフランス人成人を対象に、有機栽培と慣行栽培の野菜・果物を区別して調べた研究も発表されました。

この研究では、慣行栽培の野菜・果物を有機のものへ置き換えることと、閉経後のがんリスク低下との関連を確認しました。

ただし、これも観察研究です。

「有機野菜を食べればがんを予防できる」と証明した研究ではありません。

2024年に発表された有機食品と健康に関する系統的レビューも、有機食品の摂取と一部の健康指標に好ましい関連を確認する一方、研究数や研究方法には限界があるとしています。

現時点では、

「健康上のメリットを示唆する研究はあるが、有機野菜そのものによる疾病予防効果は確定していない」

と考えるのが適切です。

「有機野菜の酵素が体にいい」は本当?

続いて「酵素」に関してみていきましょう。

そもそも酵素とは、体内や植物などで化学反応を進める働きを持つ物質です。植物も生きているため、当然さまざまな酵素を持っています。

問題は、

「有機野菜には酵素が豊富だから健康にいい」

「生野菜の酵素を食べれば、体内の酵素を補える」

といった説明です。

現在のところ、有機JASという栽培方法によって、健康上意味のある形で野菜の酵素量が増えることを示す確立した根拠はありません。有機JASの規格にも、野菜に含まれる酵素量についての基準はありません。

つまり、

「有機野菜だから酵素が多い」

とは言えません。

野菜の酵素を食べれば「体内酵素」が増えるわけではない

ここは特に誤解しやすい部分です。

食品に含まれる酵素の多くはタンパク質です。そのため、加熱によって活性を失ったり、消化管内で影響を受けたりします。FDAも食品加工に利用する酵素について、加熱によって不活性化する例や、消化管内で分解を受けやすい酵素があることを示しています。

一方で、食品由来の酵素がまったく働かないという意味でもありません。

たとえばキウイフルーツには、タンパク質分解酵素のアクチニジンがあります。研究では、消化過程で食品中のタンパク質分解に関与する可能性を調べています。

しかし、

「食品の酵素を食べる」

「体の酵素が補充される」

「代謝が上がる・病気を防げる」

という単純な仕組みを裏付ける科学的根拠はありません。

野菜に酵素が含まれていることと、「有機野菜の酵素に特別な健康効果がある」という話は分けて考える必要があります。

「生野菜のほうが酵素を摂れるから健康にいい」とは限らない

加熱すると酵素の多くは活性を失うため、

「野菜は生で食べなければ意味がない」

という話につながることがあります。

しかし、健康のために野菜を食べる目的は、酵素だけではありません。

野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維などさまざまな成分があります。

厚生労働省は、野菜を多く摂取する人ほど心血管疾患や脳卒中などの発症・死亡リスクが低いことや、緑黄色野菜や根菜類の摂取と2型糖尿病リスク低下との関連を紹介しています。

また、加熱すると野菜のかさが減るため、多くの量を食べやすくなるというメリットもあります。厚生労働省も、炒める・ゆでる・蒸すなどの調理を野菜摂取量を増やす方法として紹介しています。

生か加熱かを「酵素が残るかどうか」だけで決める必要はありません。

有機かどうかより「野菜を十分食べること」の根拠は強い

健康という目的だけで考えるなら、非常に重要なポイントがあります。

それは、

「有機野菜を食べること」より「野菜そのものを十分に食べること」のほうが、健康効果について確立した根拠が多い

ということです。

厚生労働省は、野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、十分な野菜摂取が循環器疾患や糖尿病などの予防と関連すると説明しています。健康日本21では、1日350g以上の野菜摂取を目標としています。

つまり、

「有機野菜は高いから毎日100gしか食べられない」

という状態より、

「慣行栽培も含めていろいろな野菜を十分食べる」

ほうが、現在確立している栄養学の考え方には沿っています。

もちろん、十分な量を食べたうえで、有機という生産方法にも価値を感じるなら有機野菜を選ぶのも一つの選択です。

なぜ有機野菜を選ぶ人が多いのか?健康効果だけでは語れないわけ

有機野菜を選ぶ理由は「普通の野菜より栄養価が高いから」「食べれば健康になれるから」だけではないと思います。

むしろ僕は、どんな方法で作られた野菜を食べたいのかを自分で選べることに、有機野菜の大きな価値があると考えています。

有機JASでは、化学肥料や化学合成農薬に頼らないことを基本として、生産方法に一定の基準を設けています。

もちろん、慣行栽培の野菜が悪いわけではありません。有機野菜を選んだからといって、すぐに体調が変わるとも限りません。

それでも、

  • できるだけ農薬への曝露を減らしたい
  • 野菜がどのように作られたのかを重視したい
  • 有機農業を続ける生産者を応援したい
  • 環境への負荷にも目を向けて食品を選びたい

こうした価値観を持つ人にとって、有機野菜は単なる「栄養の違い」以上の意味を持ちます。

つまり、有機野菜を選ぶ理由は「体にいいか、悪いか」だけではありません。

食べ物を価格や栄養成分だけでなく、作り方まで含めて選びたい人にとって、有機野菜は分かりやすい選択肢の一つなのだと思います。

有機野菜を日常に取り入れたいなら宅配という方法もある

一方で、有機野菜を毎回スーパーで探すのは意外と手間がかかります。

そこで選択肢になるのが、有機野菜の宅配です。

ビオ・マルシェは、有機野菜やオーガニック食品を自宅へ届ける会員制の宅配サービスで、取り扱う野菜はすべて有機JAS認定です。全国約300件の有機契約農家とつながり、旬の野菜を中心に届けています。

「有機野菜を食べたいけれど、毎回探して買うのは大変」という方にとっては、無理なく生活に取り入れる方法の一つです。

まずはどんな有機野菜が届くのか、現在のお試し内容を確認してみてください。

健康のためなら有機野菜を選ぶべき?

最終的には、何を重視するかで変わります。

農薬への食事由来の曝露をできるだけ減らしたい、有機JASという生産方法を支持したい、環境への配慮なども含めて農産物を選びたいという人にとって、有機野菜は有力な選択肢です。有機JASは化学肥料や化学合成農薬に頼らないことを基本とした生産方法を定めています。

一方、

「有機野菜を食べなければ健康になれない」

と考える必要はありません。

野菜そのものを十分に食べることについては、多くの健康上のメリットを研究が支持しています。厚生労働省も1日350g以上を目標に、日々の食事で野菜を増やすことを勧めています。

健康を目的にするなら、

「有機かどうか」

だけにこだわるのではなく、

「野菜を十分食べられているか」

「さまざまな食品をバランスよく食べているか」

まで含めて考えることが大切です。

まとめ:有機野菜には期待できる点があるが「食べれば健康になる」とは言えない

有機野菜は体にいいのか?

現在の研究をまとめると、有機食品中心の食事によって一部の農薬への曝露を減らせることは比較的よく確認できています。また、有機農産物では一部の抗酸化物質などに違いがみられ、有機食品をよく食べる人で2型糖尿病や一部のがんなどのリスクが低かったという研究もあります。

しかし、これだけで「有機野菜を食べれば病気を予防できる」とは言えません。

また、有機野菜に含まれる酵素についても、

「有機だから酵素が多い」

「野菜の酵素を食べれば体内の酵素が補充される」

と考える科学的根拠は確認できません。

健康という観点で最も優先したいのは、有機か慣行栽培かにかかわらず、野菜を十分に食べることです。野菜をしっかり食べたうえで、農薬への曝露、生産方法、環境への考え方などにも価値を感じるなら、有機野菜を取り入れる。

このくらいの距離感で考えると、有機野菜の健康効果を過大評価することも、過小評価することもなく選びやすくなるでしょう。

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